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所詮チンピラか

 見ると、ゴウが倒れてもがいているのが見えた。

 顔を拭っている。

 口から吹く霧を食らったのだとすぐに分かる。


「大丈夫か、少年!」


 そんなに歳が離れていないゴウをあからさまに歳下扱いするユウに、エタースは不愉快な気持ちになる。


「ガキの心配をしてる場合かよ!」


 そう言いながらエタースは羽交い締めの力を強め、ユウの首を押し込んでゆく。

 そして後方に倒れ込みながらユウの胴に足を絡めて挟み絞め始めた。

 エタースの足首はユウの下腹部辺りで交差されている。


(所詮チンピラか)


 その足首にユウは冷静に自分の太ももを乗せ、刈る様に思い切り足を伸ばした。

 するとエタースの足首に激痛が走る。


「ギャアァァァ、アッ、痛え!」


 羽交い締めが緩んだ。


「ふんっ!」


 ユウは羽交い締めを振りほどき、エタースの顔面を掴む。

 そしてそのまま握力で顔面の骨を握り始める。


「ガァァァァァァ! シャッ、シャサァァァ!」


 エタースに呼ばれたシャサは既にユウに飛びかからんと跳んでいて、点穴針を振り下ろしている。

 だが羽交い締めを振りほどいたユウが針を指でつまみ、折ってしまった。

 そしてシャサの頬に突き立てる。


「うぐっ、てめ……ぐぉッ!」


 続いてユウの蹴りがシャサの腹に炸裂し、シャサは上空へ蹴り飛ばされた。

 同時にエタースの顔面が、ゴキリ、と嫌な音を立ててひしゃげる。

 ゆっくりと立つユウの目前にいるのはジャービル。

 しかしユウが見ているのは、その向こうにいるレインと泥島だ。

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