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ほざけ
ユウは少し疲れた顔で、首を少しかしげてシャサを見つめる。
その目に鋭さはない。
漲る様な生命力はかんじられない。
だが、徐々に隙はなくなっていく予感がある。
だからこそ今なのだ。
今動いて倒さねば。
「しゃあ……」
シャサは面頬を剥いで口を露にした。
眼光はギラつきながら、口元には歪んだ笑みを浮かべている。
まさにチンピラの下賤な表情といえるが、余裕はない。
対するユウは全身を脱力させ、筋肉を緩める。
ともすれば気の抜けた顔とすら言える様な表情になり始めたが。
「いかんいかん」
パンッ、と両頬を叩いたユウは、口を一文字に結んで拳を構える。
まだ拳だけで戦うつもりだ。
それは見下されている様にシャサには思えた。
「俺相手なら剣を抜くまでもねえってか?」
「そうだな、お前程度ならば」
「ムカつく小娘だ」
「器が小さいな」
「ほざけ」
吐き捨てる様に言い放ったシャサ。
その瞬間、両者共に動いた。




