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動くのは今
ユウの様子を横目で見て、シャサは片眉を段違いにした。
眼光は鋭い。
その目だけでも粗暴さが伝わる様な男で、実際に粗暴さの塊の様な男である。
だが、知性がないかというとそういうわけではない。
学はないが地頭は悪くなく、非合法ではあるが商才がある。
それはひとえに観察眼と、自ら動いて事をなす実行力、動くタイミングを見切る野性によるものだった。
(じじいで無理だったんだから勝てるはずがねえんだが)
シャサは一瞬ユウを見て、すぐに視線を外した。
うっすら汗をかいているユウを見て、違和感に逡巡する。
以前、ユウと対峙した時、闘志は萎えなかったが、正直勝てる気はしなかった。
次元が違うと思った。
だが、今のユウにはあの時の揺るぎなさをかんじない。
(俺らのところまで降りて来た……? 調子が悪いのか?)
「動くのは今だな」
点穴針を構えると、疲労が少し抜けた気がした。




