2218/2233
押忍
対するカワベは瞑想によって魂を高める。
今在る自分、そして周りを想い、少しずつ着実に心の力を蓄え、全身に浸透させて行った。
その結果が、肉体の強化、回復である。
「ゆくぞ、超人勇者」
老人とは思えない筋骨隆々の体を晒したカワベは、両の拳を握り、無造作に歩いて距離を詰める。
一歩、また一歩と進む度に、カワベの全身が大きくなってゆく。
遂には見上げる程の体躯となった。
ユウは額に汗を滲ませながら、真っ直ぐカワベを見上げる。
「来い」
ユウの言葉と同時にカワベの無数の拳撃が放たれた。
それは巨大な体躯に似合わぬ速さでユウの全身に突き刺さる。
肉破れ血が噴き出した。
誰もが一方的な展開に瞠目する中、放たれるカワベのとどめの一撃。
両の手を組み合わせての振り下ろしの剛拳。
威力は絶大なのは間違いない。
最大の一撃だ。
その時、ユウが叫んだ。
「EXCEED!!!」
そしてユウの細腕から繰り出される神速の右の拳。
「ァ……!」
振り下ろしたカワベの剛拳は弾かれ、その全身に斬撃の様な傷が一瞬でついた。
そしてユウの比ではない、凄まじい量の血が噴き出す。
苦悶の表情でゆっくりと後ろに倒れたカワベ。
見下ろすユウは拳を引いて残心の構え。
「押忍」
同時にぐるると腹の音が鳴った。




