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バトンタッチだ、服部
泥島が晴れやかな顔でそう言うと、全身が白色光を帯びて輝き出した。
アリスの魔力が込められているのだから、闇色を帯びると思っていた泥島は内心驚くが、口元には笑みが浮かぶ。
(そういや、大地王は人間の味方なんだっけ)
人間の味方である正義の存在に相応しい光を帯びている様に思えた泥島は何度も頷く。
「うんうん、本当に人間の味方やるかもしれないよね、俺。 だけどさ」
泥島の目には、あずみとレインの動きが鮮明に映る。
目で何とか追える様になったばかりのはずが、もう完全に捉えることが出来ている。
あずみがレインの動きに追いつき、レインがさらに加速して、またあずみが追いすがる。
見るとあずみの横顔は険しさを増し、目は見たことがない程に大きく見開かれたままだ。
限界が来ているのではなく、とうに限界を超えている顔に泥島には見えた。
そんなあずみを眺める泥島は、束の間、穏やかな心持ちとなり呟く。
「今だけは人間の敵、やらせてもらいますよ。 バトンタッチだ、服部」
次の瞬間、一瞬で距離を詰めた泥島の拳が、レインの上半身に炸裂した。




