2200/2233
背負っているものがある
それが泥島には分かった。
このレインという人物、人間性は悪くない。
叔父を慕っているのもかんじ取れた。
(身近な人に恵まれている、か)
そう心の中で呟いた泥島の脳裏に仲間たちの顔が浮かぶ。
アリス、服部あずみ、池中瑠璃、高木亜実、穴倉羊透、他一名。
皆、一癖も二癖もある連中だが、泥島にとっては仲間なのだ。
泥島はそう思っている。
「俺もね、結構恵まれてるみたいだよ」
「そうみたいですね。 そして俺にもあなたにも背負っているものがある」
レインの声はいつの間にか真剣そのもので、飄々とした雰囲気さえもどこへやら。
お陰で泥島に向けられたのは、何の虚飾もごまかしもない、剥き出しの戦意。
鞘走る抜刀にも似ている静から動への移行がなされる時が来たのだ。
「そうだ。 でも」
泥島は自分の背負っているものを噛みしめながら、腹の底から声を出した。
重く、暗い声を。
だが、泥島が背負っているものは。
「それだけじゃないんだ」
その眼には後退の意思が微塵もない。
レインと同じ、いやそれ以上の戦意が爆発的に放出された。




