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いわゆるぶつかり合い
その意識はレインに伝わる。
「厄介なことになりましたね」
そう言いながらもレインの口角が上がる。
笑っているのだ。
屈強なゴーレムとの真っ向勝負という異常な状態はピンチといっても差し支えないだろう。
激突で骨が軋む戦いは、どう考えてもレインが押されて不利なのだから。
だが笑っているレイン。
これは虚勢から出た笑みではなく、無意識に漏れた自然な笑みである。
今、レインはその持てる能力を全開にして泥島を受け止めている。
肉体も総動員しているし、黒貨を自身の背面に多数配置している。
黒貨は泥島の馬力に押し流されない様にストッパーとして使用しつつ、ブースターとしても使い、逆に泥島を押し返そうとしているのだ。
「なりふり構っていられませんよ」
レインの額に汗が滲む。
「それはこっちも同じですよ」
呼応し発言する泥島も少し笑った。
戦いはしばしば相互理解を深める手段になり得ることがある。
肉体的な接触がある戦い。
いわゆるぶつかり合い。
これには、魂の接触が伴うことがある。




