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見過ごせんでござる

「バカガキっ!」


 そう言ったエタースは半身を前にする。

 担いでいるネネクレアを盾にした格好だ。


「!」


 タツキの振り下ろしが止まる。

 その隙をエタースは見逃さない。

 口から霧を吹き、タツキに浴びせた。


「うわっ!?」


 顔に霧が直撃したタツキは視界を奪われ、バランスを崩して落下した。

 倒れ込んだ痛みはあるが、タツキにとって今は痛みどころではなく、即座に跳ね起きる。

 目元を拭い、目を開けるタツキ。

 だが、視界は悪い。


「くそっ、見えない!」


 これは目潰しを食らったから視界が悪いわけではない。

 エタースが吹いた霧が辺りに広がり、誰もが視界を奪われている。

 タツキだけではなく、この場にいる者全員が霧に視界を奪われたのだ。

 その中で幾人かの忍たちが指笛をしきりに吹き始めた。

 視界が悪かろうが何であろうが、指笛で合図を、指示を送り合っているのだ。

 “逃げられてしまうのか?”そうタツキが思い、青ざめたその時。


「疾風……」


「何っ!? あずみ、てめえ!!」


 シャサが怒鳴った。

 あずみがごく短い距離走り、巻き起こった風によって、霧が吹き飛び、辺りが晴れた。

 その中にたたずむあずみは、(うつむ)き苦悩の表情でいる。

 忍の里はこの世界でのあずみの故郷の様な場所になり始めていたが、里ぐるみで人身売買を行っているのではないか、という疑念があずみの胸中で渦巻き始めている。


「里は好きでござるが……! 何やら……よくないことが行われているのを……見過ごせんでござるよ……!」


 あずみは、忍たちの指笛を解読した。

 そしてエタースの退路に立ち(ふさ)がったのだ。

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