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泥島のかんじるプレッシャー
レイン・ウインターウッドは天才である。
戦闘の天才である。
誰もがレインに一目置くし、レイン自身も強者としての自負がある。
「あなたが何を言っているのか、俺には分かりませんが、ただ……」
無数の黒貨を握る手を開くレイン。
すると黒貨はオーラをまとって空中へと浮き上がった。
「俺を強敵だと認めてくれているのは分かります」
視線をユウに移すレイン。
一瞬ユウと目が合った。
だが、レインはすぐに目を逸らし、再び泥島を見る。
ユウと泥島では、どう考えてもユウの方が強いはずだ。
ユウの強さは底が見えない。
対して、泥島は勝てない相手じゃない。
実力が拮抗している。
レインはそう思った。
……そう思ったのだが、泥島の一言によって、心に波風が立つ。
「いやお兄さんを強敵とは思ってないですよ」
「……そうですか」
平静を装い、気のない返答をしたレイン。
だが、内心は穏やかではなく、最初から泥島に本気の力をぶつける気になった。
実力は拮抗しているはずなのに、泥島の言動と、人外ならではの不確定要素がレインにプレッシャーをかけるのだ。




