立ちはだかる男
三人が向かうのは、ネネクレアが運び込まれた屋敷だ。
ゴウが、あくまで秘密裏に救出したいと思ったのは、シャサたちとの因縁をこれ以上作りたくないからで、それはタツキとゴウに何かと肩入れしてくれる女神ティナからの提案でもあった。
『あなたたちが強くなる前に殺されたら元も子もないのよ』
女神ティナのこの言葉にタツキが頷いた時、ゴウはすかさず「慎重に行こうぜ」と提案した。
そして、この方針を自分たち以上にこなせる人材としてユウを抱き込もうと思ったのだ。
今のところは上手く行きそうで、ゴウは少し気が緩むのを自分でかんじた。
タツキは物静かだが、向こう見ずでとてつもない猪突猛進。
そのタツキを抑えられる、ユウの圧倒的な格の違いにはさすがに感服せざるを得ない。
ユウは林道から少し外れた獣道を難なく進み、たまにチラリと振り返る。
それは、必死に気配を消しながらついてくるタツキとゴウの様子を見る為だ。
とはいえ気遣いはなく、馬車を追った時の様にタツキとゴウを小脇に抱えてくれたりもしない。
(まあ、これが普通だよな)
何故、急にユウの協力の程度が変わったのかも気になるが、今は考えないでおこう。
ユウの背中を見ながら、ゴウが何となくそう思ったその時、淀みなく進んでいたユウの足が止まった。
「まさかお前が立ちはだかるか、ロイド王子」
「退いてもらえないだろうか、超人勇者ユウ」
「それは出来ない相談だ。 私はこの少年たちに雇われてこの場にいるのだからな」




