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猜疑の目
その声はいかにも得意げである。
姿見えないままだが、ユウの機嫌がよさそうで、ゴウは不思議な気持ちになる。
(まさか本当に助けてもらえるのか……?)
ユウは忍の里まで同行してくれた。
いや、タツキとゴウを小脇に抱えてここまで連れて来てくれた。
普通、格上の相手がここまでしてくれれば、信頼するだろう。
しかしゴウはユウのことをどこかまだ警戒している。
それはゴウが助力を乞うた際にユウに要求された報酬があまりにも安い為だ。
(うさんくさいよなあ……)
この世界はゴウにとっては異世界。
無論、この世界で生きる者は誰もが異世界の住人。
自分と同年代の騎士姫フィオラやネネクレアとは打ち解けても、よく知らない大人となると、例え地位ある者でも猜疑の目で見てしまう。
(この人が俺たちを助けて何の得がある?)
最強の英雄としてこの世界に名を轟かせるユウ。
だからこそ、こうも簡単に随伴してくれることが理解出来ないのだ。
(まあ、上手く使わせてもらうけどさ……っ!?)
いつの間にか、ゴウの目の前に、ユウの姿が現れている。
ユウは屋敷の方を眺めて、カワベの姿を認めた。
「私を連れてきて正解だぞ、少年たち。 さぁ、行こうか」
言われるがまま、ユウの後についてゆくタツキ。
ゴウは無言で、ユウとタツキのさらに後ろを歩く。




