助っ人
「行ったな」
「うん」
その様子を、里の入口付近から見つめる二人の少年がいる。
「あいつらよりも、俺たちの方がよっぽど忍者だよな」
「うん」
軽口を叩くゴウと、生返事を繰り返すタツキ。
タツキの目は、ネネクレアが運び込まれた屋敷を凝視し続けている。
「お前、俺の話なんて聞いちゃいないな」
「うん」
「全くよお、お前は集中するといつもこうだよなあ」
「うん」
二人は、ネネクレアが拐われた時、泥島と別行動して先手を打っていた。
有名パーティである“混沌”がどこに滞在しているのかなんて街の誰もが知っていたし、どの馬車を使っているかなんて簡単に分かった。
ならばと尾行し、ここまで来たのだ。
しかし、“混沌”がいかに泥島との戦闘で消耗し疲弊したとはいえ、タツキとゴウの尾行程度を見抜けぬわけがない。
だが“混沌”は尾行を見抜けなかった。
それには理由がある。
二人は、ある人物に助っ人を頼んだのだ。
その人物は、タツキとゴウを小脇に抱えた状態で、音もなく馬車を夜通し追うという離れ業をやってのけた。
「おい少年たち、私は腹が減ったぞ」
その人物がタツキとゴウに囁く。
耳に息がかかるほどの距離にいるはずなのに、その人物の気配はなく、姿も見えない。
「ネネクレアを助け出してからですよ、言ったじゃないですか」
「む、そうであったな。 君らのいうネネちゃんとやらをこっそり連れ帰るのだったな」
「そうですよ、お願いしますよ」
「任せておけ、私を誰だと思っている。 超人勇者ユウだぞ」




