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チッ、そりゃねえぜ
誘拐したネネクレアを、だ。
これが、シャサがあずみに会いたくない理由だ。
あずみは一瞬でエタースの目の前に移動し、ネネクレアをまじまじと見つめる。
突然目の前に現れたこのメイド服の手練れに、エタースは内心ギョッとするが、顔には出さない。
「久しぶりだな、元気か?」
そして、当たり障りのない会話でお茶を濁そうとするが、あずみは興味津々に尋ねてくる。
「この子は何者でござるか? 何故にこの里に? 昔ならいざ知らず、今みなし児を拾って来ることはないはずでござろう?」
「あー、まあ、な。 こういうこともあるさ」
煙に巻こうとするエタース。
だがあずみは更に切り込んでくる。
「やましいことでもあるんでござるか?」
(こいつアホのくせに、妙なところで鋭い……)
少しだがあずみに気圧されたエタースが、ちら、とシャサを見ると、その顔には「お前に任せたからな!」と書いてある。
「チッ、そりゃねえぜ」




