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暗闇を馬車がゆく
暗闇を馬車がゆく。
馬車を動かしているのはゲド。
“混沌”の一員、ゲドだ。
「レイン、本当によくやった。 おめえがいなかったら、俺たちは全滅していた」
「いえ、俺ではあの泥兵に勝てなかった」
隣に座っているのは、甥のレイン・ウインターウッド。
“混沌”いちの実力者だ。
レインが馬車の荷台の中を見ると、仲間たちが力なく座り込んでいるのが見えた。
シャサ、エタース、ジャービル。
そのうち、シャサとエタースは眠りこけていた。
戦闘に明け暮れ、疲労困憊なのだ。
ジャービルだけは起きていて、警戒を解いていない。
鋭い眼光でもって一点を見つめている。
ジャービルの視線の先、その一点には、拘束された少女が転がっている。
「名前は……、ネネクレア……だったか」




