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鍛え直さねば
あずみに背を向け歩く“楔”の面々。
その顔は、表面上は冷静だ。
しかし、その実、内心ではあずみとの激突を避けたいという気持ちがあった。
クマガイに対し、辛辣な受け答えが出来るあずみを見るにつけ、それ相応の実力を持っているのだろう、と思ったからだ。
(やり過ごせた、な)
(ああ)
ツェゲンたち“楔”は心の中で胸をなでおろす。
実際には、あずみは今のクマガイにはかなわないが、彼ら“楔”にとっては、得体の知れない強者に変わりはない。
だからなるべく刺激しない様にと思い、離れることが出来て、大きく安堵した。
ツェゲンたちが頷き合ったのは、戦場を離れることが出来たからこそだ。
そんなこととは知らず、あずみも心の中で胸をなでおろした。
(何だかムチャクチャ疲れたでござる。 クマガイの奴が落ち着いてて、別人みたいだったから、何か気が抜けなかったでござるなあ)
去るクマガイたちの背中が小さくなってゆく。
あずみは自分の強さ、実力が今のクマガイに大きく劣ると察知した。
(これは鍛え直さねばならんでござる)
そう思うあずみの行き先は決まっている。
かつて修行した忍の里だ。




