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頷き合った
だが、ツェゲンたちにとって、クマガイは信頼している相手というわけではない。
強さに惹かれて従うまでで、本当に邪神かどうかなどは分からない。
「……」
クマガイはしばらく沈黙した後、「んっ」と短く声を出すと、あずみに背を向ける。
そしてツェゲンたちに声をかけた。
「行くぞ」
抑揚のない声はまるで穴倉の様だ。
だが、クマガイは、意識しているわけではない。
更に、“楔”の面々は、穴倉を知らない。
よって、当然の様に抑揚のない声にリアクションはなく、かつ、クマガイに従順に従う。
「はい」
誰かが返事をし、クマガイは、それを背中越しにかんじた。
だが、声の主が誰なのかも興味なく、把握しないまま。
クマガイは、宙を浮遊しながら進んで行く。
ツェゲンたち“楔”は、クマガイに追随しながら、時折、顔を見回して、小さく頷き合った。




