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持たされた本能
クマガイと黒の人型にはレベル差がある。
その差は戦闘において如実に現れると、黒の操縦者は身を持って知っている。
だからこそ人型となり、機動力向上を目指したのだが、どこまで通用するかは分からない。
ならばどうするか。
挑発をなし、クマガイのペースを乱すべきだ。
そういった観点から、黒の操縦者は、クマガイを逆上させようと試みる。
「友だちがどうしたって? 下らないな」
見下した態度で、クマガイの発言に返答する黒の操縦者。
その
更に言葉を続ける。
「それに、侵略者を許さないだの何だのと、何様のつもりだ?」
「……」
挑発は続く。
だが、クマガイは聞き流すどころか、むしろ黒の操縦者の話に聞く耳すら持っていない。
これは心を蝕まれない様にしているのだと黒の操縦者は思ったが、実のところクマガイは、無に近い意識でこの場に立っている。
クマガイの心にあるのは、立ちはだかる敵を倒そうというシンプルな感情のみ。
これは元来、クマガイが持ち合わせている本能の様なもの。
いや、持たされた本能の様なもの。




