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穴倉、ごめん
穴倉は呆然とクマガイの爪を見る。
そこには血がしたたる。
アリスの血だ。
「何をやっているんだよ、クマガイ」
普段の様に平坦な喋り声の穴倉。
「何を……!」
しかし、声が震えた。
穴倉の感情の起伏は、本来、アリスやクマガイの様に激しくはない。
戦闘時は昂るが、とはいえ、やはり起伏は少なかった。
だが今は、クマガイに対する憎しみが強烈に湧き上がる。
「……っ!」
次の瞬間、穴倉は全力で走る。
クマガイも走った。
だが二人は激突することなくすれ違う。
「穴倉、ごめん」
そう言ったクマガイが向かうのは、黒球憑きのデシネ。
穴倉は無言。
そしてクマガイはデシネと対峙する。
穴倉はアリスの亡骸のもとへ。




