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残るは三人

 クマガイはアリスの顔を見ながら、急激に思い出していた。

 植え付けられた記憶の中で、クマガイは有栖川(アリス)に見下され、踏みつけられていた。

 その記憶を思い浮かべると、憎しみがわいてくる。

 だが、あくまで植え付けられた記憶であって、実際にそういうことがあったわけではない。

 今のクマガイはそれを知っている。

 だから、胸に広がる憎しみが、頭に充満する怒りが、やり場のないものだと知っている。

 この世界に生まれてからのクマガイは、アリスと出会って、何だかんだと酷い目に遭っているが、アリスに対してのわだかまりはないに等しくなっている。

 それは、アリスもクマガイと同じく、何者かに造られた存在だと、どこかで理解しているから。

 そして、自分たちの創造主が同一人物だとしたら、アリスとクマガイは兄弟の様なものだと思っているからだ。

 穴倉も、泥島も、服部あずみも、池中瑠璃も、高木亜実もそうだ。

 クマガイは、穴倉とは何度も激突してしまう。

 本気で戦ってしまう。

 しかし、何かで歯車が合うと、いがみ合いがなかったかの様に共闘できてしまう。

 アリスにしても穴倉にしても、本当に知り合ってからの時間は短い。

 だが、もう思い入れはあるのだ。

 悪い記憶は割り切れるが、憧れて仲間になりたかった者たちを慕う気持ちは割り切れない。

 だから、アリスに『殺せ』と言われたところで、嫌だ、という気持ちしか湧かない。

 が、そんなことを言っていられる状況でもないと、クマガイは無意識に完全認識できている。


(本能的に分かる。 全滅の危機なんだ)


 故に、気持ちはアリスを慕うまま、疾風の様に駆けた。

 そしてアリスの首を落とすクマガイ。

 瞬間、煌めきの空間が一気に収縮して爆散した。

 周囲の景色は、黒球や天使たちと戦った空間に戻る。

 残るは、デシネ、穴倉、クマガイの三人だけ。

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