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何か強い火

 すぐにアリスは手をかざす。

 即試そうとするフットワークの軽さに、イルマは思わず笑みを浮かべた。


(この子はとにかく話が早いわ!)


 異形の中にあって、アリスの単純明快さは、イルマにある種の安堵感と達成感を与えた。

 穴倉を止め、提案を真っ先に聞くアリスの協力的な態度もあって、好感すら持ち始めるイルマは、微笑みながらアリスを見つめている。

 するとアリスは、手をかざしたまま、うんうん唸り始めた。

 しかし、黒炎は出ない。

 イルマは目をしばたかせ、数瞬無言でいた。

 アリスは下から上目遣いでイルマの目を覗き込み、「出ねぇわ……」と言って腕組みし、首を傾げる。


「ダメ?」


「おう。 何か出るかんじしねぇわ。 ムリムリ」


 そう言うとアリスは穴倉の背中を強く叩いた。


「交代! お前のビーム黒炎で出せや!」


「俺、黒炎なんて出せないよ。 大体、黒炎ってなに?」


「何か強い火! 気合いで出せや!」


「何か強い火? いい加減だなあ。 まあ、やってみるけど。 ……熱線砲(ブラスタァァ)!!」

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