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炎使いの中には
アリスはイルマに向かって少し頭を下げる。
「正直スマンかったわ。 続き話してくれや」
「……ええ」
イルマは内心ホッとした。
アリスは気さくそうな雰囲気もありながら、無軌道な振る舞いと、瞬時に撒き散らす殺気、引き連れているのが異形ばかりであることなど、様々な未知の要素を持つ個体であり、とにかく計り知れない。
そんなアリスが、とりあえずは聞き耳をもっていて、イルマに対して謝った。
これによって、現時点でのアリスは、イルマに対して害意を持っていないと判断出来るのだ。
(気が抜けたわ……)
全身から力が抜けるほど、安堵の感情に包まれたイルマ。
だが思い直し、ぴんと背筋を伸ばした。
今はしっかりと話をして、協力体制を築きたい。
その為には、なるべく弱みを見せたくない。
「炎使いの中には、黒炎を使える者がいるとか。 その炎は異世界から召喚されると聞きます。 そういった炎を使えませんか?」
フォンテスがすぐさま、「いや、ないな」と言い切った。
「そうですか」
すぐにイルマも答える。
その表情は冴えない。




