表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2072/2233

夫と妻は

 その声は弱々しい。


『ここ……から……出し……は……しな……い……』


 天使の魂、その声は力なくなってゆき、まさに虫の息となる。

 その様子を踏まえて、アリスが首を傾げながら問うた。


「いやオメェくたばりそうじゃん。 そしたらこの空間だって消えるんじゃねぇの?」


 誰もがアリスと同じ思いを抱く。

 だが。


『……』


 天使の魂は、もう何も答えない。


『……』


 空間全てが異様に煌めき続けている。

 そして、しばらく誰も、何も言わないが、デシネが沈黙を破った。


「……攻撃が来ませんね」


 デシネが周りをゆっくり見渡す。

 誰に問いかけるでもなく言った言葉だったが、妻が頷く。

 デシネの妻は、デシネに腰を(いだ)かれている。

 デシネは、いつ、どこから攻撃が来ても妻を守るつもりで、その手を緊張させていた。

 しかし、天使の空間は、ひたすら煌めいているだけだ。

 どうやら安全だと判断し、手の力を(ゆる)めるデシネ。

 その弛緩(しかん)をかんじた妻の体も脱力する。

 互いの顔を見合わせた夫と妻は、束の間、安堵の表情で見つめ合っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ