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神聖光
それはまさに神聖光といえる美しさ、鮮やかさで、アリスたち全員を強烈に照らす。
この天使の空間には、空も地もなく、皆、煌めきの中に浮いている。
信心深い者がこの場にいたならば、感動する様な美しい光景かもしれない。
だが、この場にそんな者は誰一人いない。
アリスは口を尖らせ、「しゃらくせぇ」の一言。
穴倉やクマガイはぼんやりして無言。
吸血鬼たちは不快げに顔を歪め、ジャン・ジャックやデシネも、異様な状態に警戒するのみ。
神殿の聖騎士であったガインですら、全く心を動かされることなく、それどころか、新たな攻撃だと思って大剣を構える始末。
それを見ている天使の魂は、苦々しげに声を絞り出した。
『嘆かわしいことだ』
初遭遇のガインに、思い入れなど持ち様がないのは当然だが、それでも、神の信徒であるはずの神殿騎士が、その中でも武の頂点にいる聖騎士が敵対行動ばかり取ることに、いい気はしない。
その不遜に対する意趣返しか、残酷な通告をする天使の魂。
『この空間が崩壊すれば、お前たちは地上に戻れたが、それはもうかなわない。 私が……一体化……した……から……だ……』
天使の魂と融合した空間は、とてつもない明るさで煌めく。
そして天使の魂は、この異様な煌めきの中で滅ぼうとしている。




