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気圧される女
突き出す刃に電光がはしる。
大剣の切っ先は見事に研ぎ澄まされていて、雷電の力を帯びている。
しかし、女の作り出す障壁を打ち破る力などないと、ガイン自身が確信していた。
しかしガインは、些かも加減することなく、全身全霊で風雷牙を繰り出す。
「ウォォォォォォォォォッッ!!」
無論、刃は何かに阻まれて、一瞬押し返される。
だが即座にガインは押し返し、また弾かれては更に押し返す。
その度に、金属を打ち鳴らした様な激突音がして、次第に、大きく重厚な音へと変わってゆく。
一撃ごとに音の間隔が狭まり、次第に拮抗して長鳴りの音と化し、遂にはガインは壁と激突したまま静止状態となった。
女は、見えない壁が刃を阻むはずだと思いつつも、両手を突き出し、壁に魔力を込める。
更なる強度を加えた壁は、通常ならばガインの刃を容易に跳ね返すはずだが、そうはならず、ガインは突貫の姿勢のまま、壁に大剣の切っ先を突き立ててそこにいる。
「己は」
ふと目が合って、女は、燃える様なガインの眼力に、心のどこかで気圧された。
それは、ほんの少し。
気圧されたのは、本当にほんの少し。
だがそれは、大きな心の乱れとなった。




