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目を瞑るジャン・ジャック
しばしの静寂。
緊迫感は霧散し、少し緩んだ空気すら漂っている。
誰もが少し疲れていて、座り込んで休んでいる中、ゾミは一人立ち上がり、ゆっくりと飛び上がった。
それに気付いたのはジャン・ジャック。
目で追っていると、ゾミは空中でふっと消えた。
「!」
その瞬間、ジャン・ジャックは驚き、立ち上がった。
そして何か言おうとする。
が、デシネが手をかざして発言を止めさせ、穏やかな表情で言う。
「大丈夫です。 彼女は天使」
それ以上の説明はなく、そこで言葉は終わった。
何が大丈夫なのか、彼女が天使であることが何だというのか。
一瞬、そう訊こうと思ったジャン・ジャック。
だが、デシネの不敵な目を見てピンときた。
(天使として何かをしに行った、ということか)
腰をおろして目を瞑るジャン・ジャック。
この空間から出る術も、このデシネとゾミが何とかするのだろうかと、ぼんやり考えながら。




