2038/2233
少し工夫されただけでこのザマ
風を両横に噴出するクマガイ。
それは触手の破片の侵入を防ぐ風の防御策。
……だけではない。
そこに着目した穴倉は声をあげて笑う。
「ははははは! クマガイ、お前……ッ!」
笑いの後、何かを言おうとしていた穴倉だったが、余裕がなくなり押し黙った。
クマバズソーの勢いが増し、触手がどんどん切られてゆくのを見ての沈黙だ。
(切られた触手を再生して、新しく盾にするだけで手一杯になってしまった。 少し工夫されただけでこのザマだよ)
穴倉が今、心に抱くのは、悔しいという気持ち。
戦闘生物であるはずの穴倉が、クマガイの少しの変化で押されている。
その時、穴倉の脳裏によぎったのは、池中瑠璃であった。
瑠璃は創意工夫で穴倉を追い詰め、一度は殺した程の戦闘センスを持っていた。
そんな瑠璃を心の中に思い描き、問う穴倉。
(池中、これももうダメなのか? なあ)
切り刻まれる穴倉の触手。
穴倉は、その触手の中に炸薬の玉を生み出してゆく。
バズソーの刃が触手の中にえぐり込み、炸薬玉が破られ、また爆発が起こる。
だが爆発は、風に吹き飛ばされてしまった。




