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工夫、した方がいいんじゃない
クマガイが再度のバズソーを敢行しようという瞬間、穴倉は考えていた。
体内で生成した炸薬を触手に織り込み、爆発させる戦法のことを。
(爆発が大きければ俺も巻き込まれるけど)
先刻、穴倉は、クマガイのクマバズソーに対し、爆発をぶつけた。
ダメージを負ったクマガイだが、黒い体毛は健在で、バズソー部分は無傷。
穴倉はその強度に内心舌を巻いた。
と同時に、弱点部分の脆弱さには悲しみすらかんじた。
「クマガイ、お前は、その技の弱点が分かってないね」
穴倉は、あえて弱点について言及した。
挑発の意図もある。
だが、それだけではない。
「簡単に勝てるのは、嬉しくないんだよ。 工夫、した方がいいんじゃない」
言いながら、穴倉は苦笑した。
勝ちたいし、クマガイの上を行きたい。
そう思っているのに、クマガイに成長を促そうとしている自分がいる。
それがどうにもおかしい。
「俺、どうしちゃったんだろう。 おかしくなったのかな」
「お前は元からどっかおかしいよ」
クマガイは穴倉を睨みながら、頭は技の弱点について考えている。
だが、答えは出ない。




