202/2233
穴倉羊透という魔物
───不意に会ったあの日のことが、頭をよぎる。
「穴倉…。」
「何?」
何を聞いてくるんだ?
「何でいなくなったん?」
「何となく。」
俺が化け物だから。
「異世界で、何となく一人になるん?」
「俺はね。」
一緒にいられないと思ったから。
「え、何で何となく一人になったん?」
「それが俺には自然だったから。」
こんな姿だから。
「いや、お前の自然って何?」
「今、俺がモンスターとしてどうあるか。」
こんな姿と心じゃ嫌なんだ。
「お前、これからどうすんの?」
「俺は、これまで通り。」
別の道を行く。
「そうか、じゃあな。」
「ああ。」
俺は俺のまま、違う俺になるから。
そしてまた会えたら。




