2005/2233
あいにく私は天使でね
そう言ったデシネの脳裏に、ガインとの最初の激突が浮かび上がる。
司祭デシネと聖騎士ガイン。
二人はかつては敵同士だった。
デシネはガインを友と思ったし、ガインも少なからずデシネに心を開いていた。
しかし戦場で会った時に敵だったのだと知った。
あの日のガインが今日のゾミと重なる。
「こちら側へ来て下さい」
そう言ったデシネの言葉は、ゾミに届くことはなかった。
デシネを睨み付けるゾミを見れば、どうしようもなく敵なのだと分かる。
司祭デシネと天使ゾミ。
二人は志を同じくしていたはずだったが、その道は分かれた。
ゾミは今のデシネを許せない。
人間に戻ったデシネを許せない。
ゾミは涙が出そうになるのをこらえながら、なおもデシネを睨み付ける。
「行けるものなら行きたいが、あいにく私は天使でね」
そう言ったゾミ。
デシネには、神の使徒たる天使として戦う決意表明に聞こえた。
だがゾミは、神の使徒としての立場に言及したわけではない。
人ではない自分と、人に戻ったデシネの道が違えたことを悲しんだにすぎない。




