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ゾミにとってのデシネ

 思えば、デシネは司祭で、ゾミは患者だった。

 病気から救ってもらったことで、ゾミも、ゾミの両親も、デシネに全幅の信頼を寄せた。

 デシネは、邪教の司祭という禍々しい立場にありながら、人当たりがよく、まだあどけなさが残るゾミにも敬語で接した。

 病気で両親に苦労をかけていたゾミは、両親への負い目があったし、自分は子どもで、大人たちに庇護されている弱者と思って、劣等感を持っていた。

 両親はゾミの負い目と劣等感をかんじ取れていたが故に、より無償の愛を注いだ。

 それはゾミの胸を熱くさせたし、愛されている実感をもたらしてくれた。

 そしてデシネとの対面。

 ゾミは、いくら両親の愛を受けようと、弱者であることに変わりはないと思っていた。

 しかしデシネはゾミをまず人間扱いし、優しく接した。

 空虚だったゾミの心に、光が射した瞬間だったかもしれない。

 ゾミにとって、デシネは特別な存在となった。

 だからこそ。

 だからこそ、デシネの真意が聞きたい。

 ゾミが力なく問う。


「答えて……くれませんか……?」


「……」


 デシネは沈黙したまま、腕を振り下ろす。

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