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また仕切り直しだわ
その瞬間、アリスが突撃した。
ゾミが翼を使い終わるタイミングならば、一撃食らわせられると考えての行動だ。
「おらァ!」
そしてアリスが繰り出す拳には、炎が纏われている。
当たれば、凄まじい威力の拳に加え、火炎がゾミを襲うだろう。
だが、フック気味のアリスの拳は空を切った。
「ちぃッ!」
アリスはゾミのこめかみを狙って拳を打ったが、ゾミはのけ反ってかわしたのだ。
そして掌をアリスに向かって出した。
「やべっ!」
瞬間、アリスもまた、のけ反ってかわそうとした。
波動撃を警戒するアリスは、ゾミの動きに過敏になっている。
だが、波動撃は、のけ反ったぐらいではかわせない。
それが分かっているクマガイは、風を一斉に噴出した。
すると、アリスの体と、アリスの背中に張り付いているクマガイの体が、猛スピードでゾミから離れる。
「また仕切り直しだわ」
忌々しげに言ったアリス。
しかし、風を噴出し後退に舵を切ったクマガイの判断に文句はない。
故に、口もとには笑みを浮かべている。




