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先回りしての謝罪
光の矢は煌めいて、アリスがキラキラと呼称したのも頷ける。
アリスらしい表現だなとクマガイは思った。
そして、こういった表現を自分も使おうと思い至る。
そこには、アリスへの憧れがある。
アリスの振る舞いを模倣することによって、アリスの様になりたいという、クマガイの心理がある。
クマガイは、先刻までアリスにわだかまりを抱いていた。
いや、今もわだかまりを抱いている。
だが同時に、どうしようもなく憧れ慕う気持ちもある。
故に、共同戦線を張ること自体が既に僥倖で、何か足を引っ張ったとなると申し訳ない気持ちが膨れ上がる。
クマガイの中では、波動撃を警戒し後退したことは、アリスの意にそぐわないものだと思っていた。
その為、真っ先に謝った。
以前のクマガイならば、自分の行動を省みたりはしない。
相手の気持ちなど考えはしない。
だが今のクマガイは違う。
自分の行動の責任を負うことが出来る様になっている。
結果を踏まえて行動出来る様になっている。
それはまさに成長としか言い様がないもので、クマガイは先回りしての謝罪が出来た。
だからこそアリスも気分を害することがなく、罵倒しなかったし、協力を素直に仰げたのだ。




