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翼と波動
アリスはクマガイが放出する風によって、空中に留まっている。
ゾミは飛行能力があるのか、魔法で飛んでいるのか、判別出来ない。
アリスは空中にあっても、左半身を前にし、右拳を顔付近まで上げた構え。
対するゾミは、両足を揃え、両手を広げた体勢で、厳密には構えとは言わないかもしれない。
だが、これがゾミの臨戦態勢であり、それは対峙したアリスが一番よく分かっている。
(やりにくいわ)
隙だらけに見えるゾミの体勢だが、アリスは慎重になっていた。
クマガイとの連携をはかろうと、心の中でクマガイに話しかけるアリス。
『突撃のタイミングがよぉ』
『ないよね。 あのヤバげなビームあるしさ』
目の前の戦いに集中する二人の意識は、ゾミの両手にある。
警戒しているのは、ゾミの波動撃だ。
『この野郎が銀ピカの羽根使ったらよぉ、俺の攻撃効かねぇわな?』
『うん』
『でよぉ、そん時にあのヤバビーム出たらよぉ』
『直撃で俺たち死ぬよね』
翼による防御と波動撃による攻撃。
これが両方待ち受けているとなると、アリス&クマガイは、どうにも仕掛けにくいのだ。




