1969/2233
アリスの拳
アリスとクマガイの突撃の速度が爆発的に向上する。
ゾミとの距離は一瞬にして詰まり、えぐり込む様に繰り出されたアリスの拳。
「おっらァッ!」
けたたましいアリスの絶叫は、高空にありながら、地上にまで大きく聞こえるほど。
誰もがアリスの声を聞きながら、上空を見上げている。
だがその姿は、距離がありすぎて見えない。
そして、またも響くアリスの声。
「ってめッ!」
アリスたちの突進の目を見張る速さに、ゾミは必死に体を反らしてかわす。
ゾミの顔に向かって繰り出されたアリスの拳は空を切った。
アリスの声は、かわされたことに対する苛立ちが多分に含まれているが、クマガイは冷静に新たに風を噴射する。
「おっとォ!?」
すると、空振りで体勢を崩すかに見えたアリスの体がそのまま回転し、拳をもう一撃放てる状態となった。
その回転の勢いのまま、アリスは拳を繰り出す。
ゾミは反射的にガードの腕を上げた。
しかし、アリスが狙ったのは頭部ではなく体。
「でぇいやァッしゃァッ!」
アリスの拳がゾミの側腹部へと突き刺さり、あばら骨が音を立てて砕けた。




