1964/2233
理解出来た様な気がした
デシネは敵であった男。
そして得体の知れない存在である。
故に信用は出来ていない。
今日出会い、敵として戦い、味方?になるなど、正気の沙汰ではないとさえ思う。
だが、それを求めたのはアリス。
思いつきなのか何なのか、気分で物を言っているのか何なのか、アリスはよく強引に物事を決める。
それは思慮に欠けていて、迂闊ですらあると穴倉は思う。
だが、穴倉はこうも思う。
「アリスの心も自由なんだ、きっと」
「そうですね」
デシネも呼応し頷いた。
傍らには妻の姿。
「だから、お前だって受け入れてしまう」
「ええ。 危うい方だと思いますが、しかし」
得体の知れない存在と同化した穴倉は。
得体の知れない存在と同化していたデシネは。
「だから俺も、お前を受け入れてみるよ」
「ついて行ってもいいかもとも思ってしまいます」
アリスの心が理解出来た様な気がした。




