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俺の心は自由なんだ、きっと
穴倉は考える。
上空に向かうアリスたち、天地分かつゾミとデシネを見ながら。
アリスとクマガイ。
この二人は、向こう見ずなところがあり、脊髄反射で反撃に向かいそうだと穴倉は思った。
そして、実際にそうだった。
クマガイは、何だかんだと揺らいでも、結局はアリスと行動を共にする。
そこに穴倉は共感し、同時にそれが妙に癪に障った。
(有栖川の、……アリスの為に行動するようプログラムされていた俺にとって、同じ様に、アリスの存在を軸にして動くクマガイは、相容れないのかもしれない)
そしてこの感情は。
(不動心をなくした俺だから、こんな風に思うのかも。 不動心が俺にあるままなら、きっとクマガイの存在は気にならない)
そう思う穴倉は、ハッとして息を飲んだ。
(不動心がない俺は、俺の感情で揺らいでいる。 いくら俺が造られた存在でも、不動心がなくなって感情の制御が効かないのなら)
「俺の心は自由なんだ、きっと」
だからこそ、今、地上に残っているのだと、穴倉は思った。
そして視線はデシネへ向かう。




