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ゾミが狙うは
これは、散らばっていた黒球の残滓たち。
ゾミの心に呼応して集まっているのだ。
だがゾミは、黒球の集結を認識せず、ただ心のままにデシネたちを眼下に捉え、思いを増大させてゆく。
「私はあの方を信頼している。 だが」
ゾミの両の手に魔力が集まる。
波動撃を撃とうというのだ。
「蘇生魔法を手に入れたかった。 手に入れるはずだった。 私が」
地上を見下ろすゾミは、苦悶の表情で溜め息をついた。
それはさほど空気を吐いているわけではなく、浅い吐息だった。
だが、まるで肺の空気を全部絞り出す様に、長く、長く吐き出される。
その浅く、長い呼気は、ゾミが苦しくなるまで続き、そして間髪入れずゾミが大きく息を吸った。
と同時に腕が大きく振り上げられ、そして振り下ろされた。
「波動撃!!!」
ゾミが狙うは、デシネである。




