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どうにかして妻を守らねば
しばらく無言でアリスの様子をうかがうデシネ。
体はこわばり、臨戦態勢にあるが、アリスはリラックスした態度。
顔にもまるで緊張感がない。
しかしデシネは緊張を解かず、神経を張り詰めさせたまま向かい合う。
臨戦態勢を取っているのには理由がある。
妻を敵から守りたい。
今のデシネにとって、それだけが存在理由となりつつある。
だが。
(邪神の力が、私から去ったか……! これで妻を守れるはずがない……!)
デシネは黒球と結び付くことで邪神の力を得ていたが、それが消えた今、アリスに太刀打ち出来る力などない。
しかし、それで自暴自棄になりはしない。
諦めはしない。
(それでも、どうにかして妻を守らねば……!)
意を決したデシネ。
アリスとの対話を試みようと、喋る前に目一杯息を吸い、一呼吸置いて吐いた。
ドクドクと、とめどない心臓の鼓動が聞こえてきて、何故だか鳥肌がたった。




