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思考するデシネ
デシネの質問はアリスに無視された格好となった。
そして逆に質問で返されてしまった。
最低限のコミュニケーションさえ取れないのか、という思いがデシネの中に一瞬湧き上がる。
だが、アリスの顔には邪気がないし、話聞かせてくれ、と言葉をかけられたのだから、即戦闘再開とはなりにくい。
そう考えると、緊迫感は幾分薄れ、精神的な余裕が生まれる。
すると頭も働き始める。
頭が働くと、打算も働く。
デシネは、どうにか悲願を達成出来ないものか、その為にアリスを利用出来ないかと考えた。
(魔人……いや、女神アリスか。 完全蘇生すら可能とは……)
デシネは邪神と一体化してまで、結晶化した妻の救出を望んだが、現在、その悲願は達成出来ていない。
だが、アリスならば。
(アリスならば、我が妻を救えるのではないか……?)
「……」
沈黙のまま、思考を巡らせるデシネ。
その様子にアリスはムッとした顔で、「シカトかよ。 ほんならお前にはもう聞かんわ」と言うが早いか、結晶体であるデシネの妻を見た。




