表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1945/2233

ついてくればえぇわ

 クマガイは混乱した状態にあって、なぜ素直に座ったのか自分でも分からなかったが、目の前にアリスがいて、自分に何か話そうとしていると思うと、いやがおうにも胸がときめいた。

 しかしそれさえもが仕組まれた感情だとしたら、アリスに一喜一憂していることは下らないことなのではないか、と考えてしまったクマガイは、苦悶の表情となった。


(分からない、分からない……)


 目を瞑って首を振るクマガイの表情はあからさまに苦悩のそれで、アリスは少しばかり(おもんばか)る。

 とはいえ、アリスはこれから自分の見解を言うつもりで、それがクマガイをより傷つけるかもしれないと思うと、存外言いにくく、よしんば言ったとしても歯切れの悪い言い方になる様な気がした。

 それを、自分らしくない気がして少しげんなりしたが、しかし、クマガイに気を遣う新鮮な自分に気付きもして、それ自体は悪くない気分だとも思う。

 一回気を遣ったので、ならば一回分、何かやらかしてもいいだろう、とも考えるアリス。


(勢いで言いたいこと言えばえぇわ)


 勢いで言うのは、アリスが考える自分らしい振る舞いに該当する。

 だがしかし、クマガイにまつわることで、こんなにもああだこうだと考えているのは、何だか癪に障るし、ここは自分らしくない。

 そう思ったアリスは、単刀直入に、シンプルに、自分の言いたいことを言った。


「えぇから俺についてくればえぇわ」


 何もかもを端折って、ただ結論だけを伝えた言葉。

 それを聞いたクマガイは、キョトンとして、しばらく無反応だった。

 クマガイを囲む闇が薄くなってゆく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ