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俺との差を見せつける

 その意識は既にクマガイのものではなく、黒球の欠片に侵食されて出来た、クマガイとか違う誰かの意識である。


「お前はすぐキショいとか言うよね」


 そして、まるでクマガイが言っているかの様な言葉を吐く。

 アリスは眉を段違いにし、怪訝な顔でクマガイを見下ろしながら、大きく口を開いた。


「あ?」


 それは返答になっていない返答で、返答でしかない返答でもある。

 アリスの言葉が開始の合図であるかの様に、一斉に飛びかかる穴倉、ガイン、フォンテス。

 クマガイも動き回り、三人の攻撃をくぐり抜け、アリスに向かって駆け、跳んだ。


「お前はいつだってそうだ! 俺との差を見せつける!」


 そして爪と牙を繰り出さんとする。

 だがアリスは直立姿勢から一気に踏み込み、渾身の右ストレートを繰り出した。

 その拳には炎が宿り、その尾が水平に伸びる。

 そして、クマガイの鼻っ面にカウンターで炸裂した。

 爪と牙を繰り出すつもりでいたクマガイは、突如伸びる様に迫って来た炎の拳を視認しながら、しかしかわすことはかなわず、痛みと衝撃をその身に受けて、大きく吹き飛ぶ。

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