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アホがよ~……
アリスは考える。
じっとクマガイを見据え、一挙手一投足を見逃すまいとしている。
これというのも、アリスは、クマガイが攻撃して来るとは夢にも思わなかった。
アリスなりにクマガイを信頼し、仲間だと思っていたからである。
しかしクマガイはアリスに向かって攻撃してきた。
それが例え黒球の影響を受けてのことであったとしても、クマガイの意思ではないとしても、アリスにとっては許せないことであった。
「アホがよ~……」
口をついて出たのは、罵りの言葉であるが、しかし、これはクマガイへの言葉であるとは限らない。
アリスは今、自分の不甲斐なさも少なからずかんじていて、故に、この言葉は、自分自身へのものであるかもしれなかった。
対してクマガイは、アリスの言葉を受けて、これは自分への罵りの言葉なのだと解釈し、ほの暗い気持ちでアリスの目を見た。
するとアリスの瞳には強い怒りがにじんで燃えている。
クマガイはすかさず目を逸らすが、胸中には罪悪感が拡がってしまっていて、何故こうなってしまったのかと思い、後悔の気持ちでいっぱいになってしまっている。




