己の意識革命
フォンテスには、シャノンへのわだかまりなど既になく、それが分かるからこそ、シャノンの気持ちはより柔らかくほどけてゆく。
それは、フォンテスに三行半を叩きつけようとしていたことを忘れそうになってしまう程で、シャノンは、そんな自分の心変わりに苦笑し、そして同時に、自分をここまで心変わりさせたフォンテスに感嘆した。
(何だかんだ言って、フォンテス様が主なのね……!)
先刻まで心にこびりついていた不平不満は消え失せたシャノン。
今はまたフォンテスを主に頂いて、同族の為に生きる気持ちになり始めている。
マシアスやイゴールからの反発は食らうかもしれないが、それは裏切りかけたせいだと、自業自得だと今は思えるし、フォンテスを主として行動する際に、マシアスやイゴールとの激突を避けるつもりでいる。
シャノンは、そういったシチュエーションに置かれた時、実際に戦闘衝動を抑えられるかどうかは分からないとも思ったが、しかし、衝動を抑えよう、激突を避けようと考えていること自体が、己の意識革命だと考えた。
そしてフォンテスを穏やかな瞳で見る。
(私は今、初めて成長している気がする。 けどこの方は違う。 常に……)
シャノンが見るフォンテスの横顔は、何よりも美しく見えた。
フォンテスは疲労や寝不足で肌が荒れ、目にくまが出来ているが、だとしても、何よりも美しく見えたのだ。




