1902/2233
爪撃の応酬
すぐに追撃を開始する穴倉は手をかざす。
踏み出す一歩と共に、穴倉の掌から電撃が伸び、クマガイを狙った。
しかし、クマガイがいた地点には、既にその影はなく、電撃は地に落ちた。
「よけるなよ」
「そりゃよけるよ!」
返答するクマガイは踏み込んで大きく跳躍し、背中から緑色の風を噴き出して急降下する。
「そっちこそよけるなよ~!?」
そのまま爪撃を繰り出すクマガイ。
その尋常ならざる速度は、クマガイ本人の顔をひきつらせる程であるが、穴倉は無表情のまま。
「よけはしないけど」
左手の爪で受ける。
クマガイの速度を全く問題にしない穴倉は、続けて躊躇なく右手を振るった。
爪撃がクマガイを襲う。
体を丸めてよけたクマガイが、その勢いのままに縦回転した爪撃連斬を繰り出すが、それもまた爪で受ける穴倉。
「受けるよ」
「受けるなよ」
苦々しげに吐き捨てるクマガイの顔は、いつものクマガイとは違い、戦いに相応しく、鋭いものとなっている。




