表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1899/2233

自爆はやめとけや

 そしてそれは穴倉も同じである。


「わかった」


 穴倉の返事は、軽く、そっけない。

 まるで生命に無頓着の様な、何の感情も込もっていない様な声。

 それも当然といえば当然か。


「何だったら俺、自爆しようか?」


 穴倉は自らの生命を燃やし、自爆することすら無感情にやってのける。

 アリスが復活させてくれると信じている、信じられるとはいえ、自らの生命にすらこうなのだから、クマガイの生命を奪うことに何の抵抗感もないのだ。

 その言葉を受けて、アリスは素早く返答する。


「自爆はやめとけや!」


 絶叫する様な、しかし微妙に芯のない、こなれた声。

 穴倉が自爆しても、また復活させればいいという気持ちはアリスにもある。

 だが同時に、仲間が何の抵抗もなく、立て続けに生命を捨てる姿は見たくないな、という思いも抱くのだ。

 それというのは、先刻、アリスが穴倉に自爆を依頼した形になり、穴倉がすんなり受け入れたことで、アリスの中で穴倉の自爆には抵抗感がある。

 出来れば、もう死んでほしくない。

 しかし、それを言うには若干の照れがあるアリスは、照れ隠し半分、本音半分の呟きを紡ぐ。


「おめぇはわかんねぇだろうけど、自爆から逃げるの大変なんだわ。 めんどくせぇんだわ」


 死んでほしくないのも本音だが、めんどくさいのも本音。

 穴倉の自爆は効果範囲が広大で、避難に一苦労である。

 それがイマイチ理解出来ていない穴倉は、キョトンとした顔で(たたず)んでいる。

 その顔を見て罵倒するアリスは、微妙に半笑いである。


「何でわかんねぇんだ馬鹿野郎。 核爆発みてぇにえげつねぇんだよ、おめぇの自爆はよぉ」


 それを聞いた穴倉は、しばらくはキョトンとした顔のまま。

 そして腑に落ちた納得顔となり、なるほど、と一言。

 自分の生命の値段をかなり軽く見積もっている穴倉には、自爆に難色を示されることが何故なのか、一瞬わからなかった。

 だが、アリスの吐いた「めんどくせぇ」と「核爆発みてぇにえげつねぇ」という言葉で、自分の自爆のイメージが湧いて、納得出来たのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ