1892/2233
竜が伸ばした魂の根
それに対して答えるのは。
『よかろう』
穴倉と融合した、竜である。
竜は、穴倉に取り込まれ、穴倉の魂の中に存在する。
穴倉とは別個の自我を持つが、あくまで穴倉に取り込まれた存在であり、対話はするし、意見が食い違うこともあるが、体のコントロール権を持つことはないし、穴倉の心を侵略する様な影響力もない。
だが。
『こびりつく害悪は塗り潰してくれよう』
異物に対しては、免疫の役割も果たす様で、黒球の欠片に向けて、魂の根をおろす。
そして竜が伸ばした魂の根は、黒球の欠片から、何かを吸い上げ始めた。
次第に黒球から色が抜けて行く。
『これは面白いな』
竜が楽しげに声をあげた。
黒球の欠片の色が抜け、すっかり透明になる。
もはや黒球の欠片は出涸らしとなり、穴倉に何らかの侵略を敢行出来る状態ではなくなってしまった。
黒球の中にあった情報、そして力は、穴倉に取り込まれ、奪われてしまった。




