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気付く穴倉
他の世界から襲来した黒球。
その存在は、この世界では邪神と呼称されるべきなのかもしれない。
黒球はこの世界を混沌に叩き落とそうとしているし、アリスは、黒球を敵だと認識している。
そんなアリスに追随するつもりでいる穴倉もまた、黒球を敵だと強く認識している。
それというのも、ここはアリスの精神世界で、他者の魂、その感情をかんじ合える場である。
アリスはもとより、クマガイ、そして黒球の魂に触れた穴倉であるが、ここであることに気付いた。
(……)
穴倉の中には、融合した竜がいる。
竜は今も穴倉の中に確かにいて、自我もあれば、対話も出来る。
だが、クマガイにしがみついている黒球とは性質が違う。
(俺の中にいる竜は既に)
既に融合を果たしている竜。
それは、もはや竜であって竜ではない。
(俺になっている)
最初は竜を信頼していなかった穴倉だが、今まで竜が何か問題を起こしたことはない。
それどころか、竜は既に穴倉に取り込まれていて、ただただ穴倉に力を与えている。
他者の魂をかんじることが出来る、この、アリスの精神世界において、穴倉にとっての竜は、もはや他者ではない。
(竜が俺の魂と同化して、俺の一部になっている。 そして、これは……?)
穴倉は気付いた。
自分の魂にしがみついている黒球の欠片に。




