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支配者はアリス
するとアリスの顔が険しくなった。
「おい、クマガイにへばりついて、こんなとこまで来やがって。 何のつもりだ? あぁ?」
そして攻撃的になるアリスは、矢継ぎ早に二の句をつぐ。
「用件さっさと言わねぇと、俺の中から追い出すぞ。 それで生きられんのか? おめぇ」
アリスが語りかけている相手は、黒球である。
黒球が、クマガイの魂と共に、今、アリスの精神世界の中まで来たと言っているのだ。
精神世界の中では、魂が剥き出しとなっていて、心の色が見える。
穴倉、クマガイはもとより、異物の存在があれば、その心の色まで見えるのだ。
アリスの精神世界の中では、支配者は当然アリスであるし、全てを司ることが可能なのだ。
故に、異物だけを追い出すことなど造作もない。
「三秒以内に何か言えよ。 イチ、ニッ」
黒球と対話をすることにメリットをかんじていないアリスは、本当に一刻も早く追い出そうとしている。
だからカウントも速い。
譲歩や駆け引きをする気がないからこそのカウントの速さは、黒球を焦らせた。




