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見透かされる

 その瞬間、クマガイの心臓が跳ねた。

 黒球と接触していたことが何だか後ろめたくかんじたクマガイは、アリスの精神内をキョロキョロと見回し、挙動不審となる。


「な、何が?」


 動揺し、言葉を噛むクマガイ。

 別にクマガイは悪いことをしたわけではない。

 ただ黒球と話をしただけだ。

 黒球はこの世界の真実を伝えただけ。

 クマガイはそれを聞いただけだ。

 これをアリスが知る由はない。

 だがクマガイは、全てアリスに見透かされている様な気がした。

 咎められている様な気がした。


「ありゃ敵だぞ、てめぇら」


 アリスの目つきは鋭く、穴倉とクマガイを順に睨み付ける。

 穴倉は涼しい顔で立っていて、微動だにしない。

 動揺しているクマガイとは様子があまりにも違う。


(あれ? 穴倉は知らないの? あの球と話したの俺だけ?)


 困惑と混乱で内心気が気でなくなるクマガイ。

 その感情の色は、当然、アリスに感知されてしまう。

 見透かされるのは、実はこれからだった。

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