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今の自分を
だが、よほど何かがあるんだろうと思う。
それが何なのか、分からないが。
ギラついた目のアリスが、穴倉、クマガイを順に睨みつけた。
穴倉は咄嗟に戦闘態勢に入る。
いざ対峙してみれば、このまま戦うのも一興と穴倉は思う。
片やクマガイは、一瞬、体が硬直してしまった。
アリスが何を見ているのか、自分の何を気に入らないのか、考えてしまったクマガイ。
穴倉が戦闘態勢になったことと比べて、自分が不甲斐ない様に思ってしまう。
(俺、萎縮してるんだな)
クマガイは、有栖川との関係性が虚構から始まっていることを知っている。
幻から始まっていることを知っている。
だから、今ある感情が、造られたものの上に成り立っていると思う。
自分の存在そのものが、幻の様なものだと思う。
だが、萎縮している今の自分に嘘はない。
今あるのが自分たちなのだと思っている。
(穴倉とは違うんだな)
だからこそ、今の自分を現実だとかんじている。




